医薬品事業の未来を創る AIソリューション展
特別対談 Part1 インタビュー記事
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「AI×ライフサイエンス ~製薬事業の未来を考える~」
製薬事業の「今」を変えるAI活用。創薬から品質保証までの現状と課題 製薬企業の事業戦略、そして個人のキャリアプランを考える上で欠かせない「AI活用」の現状。本対談では、製薬事業に精通し、AIコンサルタントとして活躍するFRONTEOの成田周平氏をゲストに招き、シーエムプラスの鴫原毅が現在の製薬事業におけるAIの立ち位置について深く掘り下げます。 |
Part1:現状認識 ~ AIが変える製薬事業の「今」~
鴫原:皆さんこんにちは。私、株式会社シーエムプラスの鴫原毅と申します。本日は株式会社FRONTEOの成田周平さんをお招きしまして、「AI×ライフサイエンス、製薬業界・製薬企業の未来を考える」というテーマで特別対談としてお送りいたします。
成田さんは製薬事業にもずっと携わっていらっしゃって、今はFRONTEOという会社に関してのお仕事をされています。製薬事業とAIと両方に精通されている方で、AIと製薬事業の未来を語っていただきたいと思います。
本日はその話を3つのパートに分けまして、まず1つ目は現状認識として、今AIがどのくらい活用されているか。2つ目がビジョンとして、近未来の、この先3年から5年ぐらいの間にAIが製薬事業の中でどのように活用されていくか。3つ目が、今、製薬企業あるいは製薬会社に働く方の個人が、どのような行動をしていけばいいか。この3つのパートに分けて対談を進めたいと思います。成田さんよろしくお願いいたします。
成田氏:よろしくお願いします。
創薬研究の「今」:論文データ活用とスクリーニングの効率化
鴫原:最初のパート、現状認識としてAIが今製薬事業を変えてきていますけれども、創薬研究から始まる各仕事の中で、現状今どのようなAI活用がされているか、ざっと大雑把に情報共有をお願いします。
成田氏:はい、ありがとうございます。創薬研究からですね。
創薬に関しては、私たちの会社でも取り組ませていただいておりますけれども、やはり新規標的探索やバイオマーカー探索といったところですね。弊社の事例では、論文データから新しいものを見つけてくるような使い方をしています。
各社さんいろいろ自社でAIを構築し、自社のデータを使って創薬につなげているという活動は、大きい会社さんなんかはもう着手されています。ただ、なかなか投資というところで難しい面もあるので、まだ全部というわけにはいかないですけれども、進んではいます。
海外に関しては、もう結構前から、化合物のスクリーニングというところでは活用されておりますので、だいぶ進んできているかなという印象です。
鴫原:標的分子をスクリーニングするところや実験ロボットの活用など、作業の部分での時間短縮・効率化は非常に上がってきています。創薬研究のところは、現在そういう活動がされているという状況ですね。
製造・品質保証(QA):スマートファクトリーへの道のり
鴫原:次に、製造プラス品質保証(QA)、この部分に関して現状、どの程度の活用をされているんでしょうか?
成田氏:はい。まず、製造に関しては、スマートファクトリーとも言われていますが、ロボットで自動化するといったところで取り組まれている会社もありますが、まだまだ完全な自動化というところには至っていません。
特に医薬品の場合は、品質保証の問題がありますので、取り組まれてはいますが、完全自動化までは行っていない。ただ、データはあるので、そのデータの解析にAIを使うといった活用は進んでいます。
また、品質保証のところでいうと、やはりドキュメントが出てくるので、ドキュメント検索をAIでやるとか、生成AIを使ってドキュメントの基本フォーマットを自動作成するといった取り組みはあると思います。ただ、まだまだ生産現場でのAI活用というのはこれからかなという認識です。
鴫原:AIの画像認識、例えば外観検査などはもう十分使われているという認識でよろしいですか。
成田氏:もう導入はされています。外観検査などはそうですね。その辺りでは取り組まれているところはあると思います。
ただ、じゃあどこまでやられているかというと、まだまだ数パーセントレベルだと。
鴫原:まだその程度ですか?
成田氏:そうだと思います。
臨床開発以降のAI活用:デジタル化が先行し、データが鍵に
鴫原:それから、臨床開発以降のプロセスについての現状はいかがでしょうか。AIが一般的に使われていますか。
成田氏:そうですね。臨床開発に関しては、デジタル化というところで、そのデータをどう使うかというところでの活用は検討はされていると思います。
ただ、AIが何か全てをやるというわけではないと思うんですけども、部分的なドキュメント作成やドキュメント検索といったところに関してはAIの取り組みはされてきています。
しかし、まだまだ紙のケースもありますし、実際にDCT(Decentralized Clinical Trial:分散型臨床試験)といった新しい取り組みも進んではいますが、まだまだデータが揃っていません。データがなければAIは使えないというところなので、デジタル化が今は主流になっていて、ここからAIの活用が進んでいくんじゃないかなというふうに思ってます。
製薬企業が直面する課題:コスト対効果の不透明さ
鴫原:現状認識の最後にもう1つお伺いします。成田さんが製薬企業へコンタクトされていて、このAIの活用に関して、何かこう課題やハードルとして感じられていることは何でしょうか?
成田氏:そうですね。AIを使わなければいけないという認識は皆さん持たれてると思うんですけども、やはり使いこなせるかどうかという不安な面。あとは、実際にはコストがかかりますので、AIを十分に使えるような環境を揃えるための投資に皆さん苦労されています。
AIを使いたいんだけども、その稟議が通らない、予算が取れないといったケースが非常に多いかなというところはあります。
鴫原:それは、コストをかけた時のアウトプットがまだ見えないということでしょうか。
成田氏:そうですね。そこが多分大きな課題です。製薬以外もそうだと思いますが、AIにどれぐらい投資をして、それを活用しようとするかというのは、会社としては大きな課題と言われていますので、そこに関しての課題を減らしていかなければいけないような状況にあると思います。
Part2:ビジョン ~ AIが拓く「近未来」の製薬事業の姿 ~
Part2 インタビュー記事をご覧になりたい方はこちら >>
Part3:製薬企業は「今」何をすべきか
Part3 インタビュー記事をご覧になりたい方はこちら >>
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【登壇者】
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